_IGP1233

トンカチワークスのブログへようこそ!
このブログの管理人のたむです。

先日ミラーレス一眼を購入したので、そのカメラ用に色々なグッズを作っていくことにしました。スローペースな私のことなので月に1個作れるか作れないかだと思いますが、気長にお付き合いいただければ嬉しいです^^
購入したカメラの紹介記事はこちら

 

初回の今回は、革のハンドストラップの作り方をご紹介します。
なるべく簡単に作れるよう、縫わない形にしました。

※弱そうな部分は補強していますが、心配な方は補強を追加してください。

 

スポンサーリンク

 

完成写真

_IGP1059

完成形はこんな感じです。最初に細いストラップを作ってみたのですがちょっと味気なかったので、持ち手を太くしてタグのような形にしてみました。使う革の量は少量なので、上手くすれば端切れで出来ます。写真のストラップも、背景の手帳カバーの余りで作りました。

 

作り方ダイジェスト

作り方が長くなるので、まずは簡単にパーツ構成と構造を説明します。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

ストラップは5つの革パーツと金属製アジャスター、補強用のカシメ(上下)の7パーツで出来ています。

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

まず太い革に補強用の革をはさみ、そこに空いているスリットに細い革を通します。

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

細い革を重ねてカシメで外れないように補強し、細い帯状の革でカシメを隠しています。

 

すけ_キラーン
構造はこんな感じだよ。
それじゃあ、実際に作ってみよう!

 

 

革パーツ作り。

まずは5つの革パーツをそれぞれ作っていきます。

 

革のカット

 

_IGP0979

定規をあてて、銀面(表側)からカッターで切ります。幅はお好み(私のは細い方は1.1cm、太い方は2.5cmくらい)で、長さも手のサイズに合わせて調整します(2枚とも35cm前後。サイズの決め方は最後にご紹介します)。なるべく端から端まで一気にカッターの刃をすべらせて、何度かに分けて少しずつ深く切っていくと綺麗に仕上がります。

 

_IGP0986

角は上の写真で使っている”別たち”という道具があると簡単です。無ければカッターでも切れます。

 

穴あけ

 

最後の方でカシメをはめるのですが、先にその部分の穴を空けていきます。

_IGP0990

穴を空けるのにはポンチとトンカチを使います。

 

_IGP1018

カシメをはめるのは細い方の革。穴の位置を調整し、2箇所空けます。

カシメ用の穴は、カシメの2つのパーツのうち足の長い方(細い方)がぴったり入るサイズを選んでください。大きすぎるとカシメを留めた時にゆるくなってしまうので要注意です!

 

スリット穴空け

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

スリットは、太い革の左右の2箇所と、補強用の革の計3箇所に空けます。

 

_IGP0997

まず、ポンチでスリットの両端に穴を空けます。

 

_IGP0998

その穴同士を繋げるように、カッターで直線部分を切ります。
(“美錠抜き”というポンチがあれば、一発でスリットの形に綺麗にあけられます)

 

革鋤き

 

細くて短い革パーツ2つは、後でリング状にして端と端を重ねて留めるので、一方の端から1cm位を裏から鋤いて薄くします。

_IGP1047

裁断の時に使った”別たち”を使うか、カッターの刃を長く出して鋤きます。

 

_IGP1050

こんな感じで、端っこが銀面(革の表側)だけになるくらい薄くなればgood!

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

 

すけ_つまり

 

2枚とも鋤けたかな?
これで革パーツが全部揃ったよ!

 

 

革の床・コバ磨き

_IGP1008

パーツ同士を組み立てる前に、平面の状態の方が磨きやすい部分を磨いていきます。磨くのは、革の床面(裏側)とコバ(側面)の毛羽立っている部分です。

トコノールなど革用の磨き剤を使います。

 

床面磨き

 

_IGP1015

まず床面にトコノールを塗って、半乾きのうちにガラス板などの固い平らな面で磨きます。私は木製のへり磨きの底面で磨きました。

 

コバ(側面)磨き

 

_IGP1011

綿棒や指先で、トコノールを塗ります。銀面(表側)につくと染みになるので、なるべく付かないように注意してください。

 

_IGP1013

トコノールが半乾きになったら、帆布などの布を綺麗に折りたたんで面を作って磨きます。摩擦熱でトコノールを定着させるイメージで、素早く優しく磨くことがコツ。

 

_IGP1014

表が済んだら今度は裏を向けてから再度側面を磨きます。裏返して磨くことで、床面の角の毛羽立ちも綺麗になります。

 

穴の中を磨く

 

_IGP1028

布で磨けない小さな隙間は爪楊枝など細い棒で磨くと磨きやすいです。

すけ_真顔
革同士が重なる部分は、後で接着してから磨いた方が綺麗に仕上がるよ!
後で合図するね。

 

 

パーツ同士の組み立て

ゴムボンドで接着

 

_IGP1019

接着には”ゴムボンド”を使うと水に強く、強力にくっつきます。一般的なノリと違って両面タイプなので、貼り合わせる素材の両方に塗ります。はみ出しがシミになりやすいので気をつけて下さい。

 

_IGP1020

まず、太い革の一方と、補強用の革にゴムボンドを塗ります。ヘラで伸ばす時に爪楊枝があると、ノリが手に付かず便利です。両方の接着面に塗るのをお忘れなく。

 

_IGP1021

ボンドが手にベトベト着かなくなったら、パーツ同士を貼り合わせて圧着します。

 

_IGP1023

同じように太い革のもう片方と、補強パーツ同士も接着。

 

_IGP1025

3枚重ねた部分に段差が出来ることが多いので、はみ出た部分を適宜”別たち”やカッターで切ってあげると段差がなく綺麗に仕上がります。

 

_IGP1026

こんな感じで段差がほぼなくなりました♪

すけ_キラーン

 

ここで3枚合わせて側面とスリットを磨くのがベストタイミング!

 

 

_IGP1030

細い革を通してから、細い革の重なる部分にもゴムボンドを塗ります。接着する際はカシメ用の穴が重なるようにしてくださいね。

 

カシメ打ち

 

ゴムボンドだけでは心許ないので、念の為カシメで固定します。

_IGP1037のコピー

カシメは足の長い方を下、短い方を上にして、革を挟んでとめます。

 

_IGP1042

カシメを固定するには、カシメ打ちと打ち台、トンカチを使います。

 

_IGP1043

こんな風にそれぞれの凹みにカシメをあわせて、トンカチで叩きます。カシメが回らなくなるまでたたいたらOKです。

 

カシメを隠す

 

_IGP1046

カシメを隠すのとタグっぽさを更に出すために、細い帯状の革でカシメの周りを覆います。
金属にはゴムボンドは付かないので革の部分にだけ付けて固定します。

 

アジャスターの取り付け

 

_IGP1055

カメラ側の革にアジャスターを取り付けます。

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

カメラに取り付けた後、革の端が遊ぶようだったら、余っているもう1枚の細くて短い革を使って固定します。

 

すけ_真顔

 

お疲れさま!これで完成だよ。

 

 

 

材料

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

今回使った材料のおさらいです。全て一箇所で済ませたい場合、新宿オカダヤなど大型手芸店で揃えられます。

 

長さ40cm、幅は5cm位あるとgood.私は以前、浅草橋のタカラ産業で購入した「栃木レザー」1.6mm厚の余りを使いました。いずれにしても、栃木レザーのような”植物タンニンなめし”という種類の革がオススメです。少し高価な革ですが、”植物タンニンなめし”の革はコバ磨きなどの処理がしやすく綺麗に仕上がります。

カシメ

固定に使う金属パーツです。20セット入り100円くらいで、100均で売ってたりもします。大抵レザークラフト用品店や手芸用品店で買えます。

アジャスター(10〜12mm幅用)

こちらは固定&長さ調節に使います。このくらい小さな規格は手に入りづらいようなので、元々カメラに付属しているストラップのパーツを流用するのが早そうです。ちなみに今回使ったシルバーのアジャスター(12mm幅用)は新宿オカダヤで買いました。

 

必要な道具

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
※上の写真にゴムボンドと定規を入れ忘れました;

 

カッターと定規

革をまっすぐ切るのに使います。

カッターマット

革を切るのと、カシメを叩く時に敷いて使います。

トンカチ

カシメをはめるのに使います。叩ければOKです。

ポンチ

こちらもカシメをはめる時に使う、穴をあける道具。スリットを空けるのにも使いましたね。それぞれ適したサイズを使ってください。

トコノール(又はCMC)

革の床面(裏側)や切れ端をツルツルにする磨き剤です。各社から異なる名前の商品が出ていて、それぞれ仕上がりが少し違います。今回はトコノールを使いました。

ウッドスリッカー(へり磨き)

革の床面(裏側)を磨くのに使いました。平たいもの、棒状のもの、幾つか形があります。コバ(側面)磨きも出来ますが、個人的に帆布を使った仕上りが好きなので今回はコバには使っていません。

帆布

コバ磨きに使いました。布の厚みにもよりますが、5cm四方くらいあれば十分です。

革包丁(別たち)

革の角を切ったり鋤くのに便利です。カッターで有名なオルファの「別たち」は革包丁よりも安くて気軽に使えます。

カシメ打ちと打ち台

カシメをはめる時にこの2つを使うと綺麗に簡単に出来ます。今時100均でも売っているそう。でも無くてもなんとかなります。

ゴムボンド

革同士をくっつけるのに使いました。ヘラと爪楊枝があると塗りやすいです。

 

長さの決め方

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

自分の手に丁度良い長さを決めるために、革を購入する前に紙で試作を作るのがオススメです。

もちろん長さだけでなく、形もアレンジしてみてください♪今回の形も、紙工作でいくつかサンプルを作って決めました。革の色や種類は勿論ですが、太さや形を変えるだけでも結構雰囲気が変わりますよね。

 

強度について

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

強度は市販品の素材を調べて参考にして、怪しい部分だけサンプルを作って実験してみました。今回は太い革にスリットを空けて細い革を通す部分の強度が心配だったので、写真はその部分の試作です。

カメラなんて落としたらシャレになりませんよね・・今回の作り方も、素材やカメラの重さなどによって強度がもっと必要な場合もあると思うのでご注意を。

 

まとめ

_IGP1220

縫わずに作れるので、手間がかかるレザークラフトとしてはお手軽に、でもしっかりした作りのストラップが出来ました!レザークラフトが初めての場合は、最初から製品のように綺麗に仕上げるのは難しいです。ただ経年変化を楽しめる素材なので、それを味として捉えることも出来ます。まずは練習がてら楽しく作ってもらえたらと思います♪

たむ_うへへ

 

私もどんどんお気に入りの革で小物を作って、レザークラフト上手になるぞ!

 

—————————–

次回はフェルトと革で作る簡易カメラバッグか、レンズカバー辺りを検討しています。新しいレンズを買ってからになりそうなので、カメラグッズの更新は秋頃になりそうです・・(° _° ) 遠い目

 

では、本日もご訪問ありがとうございました^^
たむ

 

 

スポンサーリンク