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毎日のように履いて、私たちをどこへでも連れて行ってくれる、靴。彼らがどうやって生まれてきたのか、気になりませんか?

そんな疑問を解決するため、先日墨田区にある革靴ブランド、スコッチグレインの工場見学に行ってきました!ものづくり好きも靴好きもワクワクが止まらない革靴作りの現場を、イラストと写真を交えてご紹介します!

 

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スコッチグレインとは

スコッチグレインは、 ”株式会社ヒロカワ製靴”が手掛ける本格革製シューズブランドです。元々有名ブランドの靴をOEMメーカーとして製作していました。その中で、高品質の革靴をより多くの人にリーズナブルに提供したい!という想いが生まれます。そこで作られたブランドが、このスコッチグレイン。靴の作り方は、「グッドイヤーウェルト製法」を採用しています。

 

グッドイヤーウェルト製法

グッドイヤーウェルト製法解体図

靴の作り方は様々な方法がありますが、「グッドイヤーウェルト製法」は部品数も多く、作業工程も複雑です。しかしその分丈夫で、修理もしやすいのが特徴。また、靴底が三層構造になっているため、長時間履いても疲れにくいという特徴があります。

 

製造の流れ

革靴作り方図解

上のイラストで、真ん中の青いラインが製造の流れになっています。
この流れで、おおまかに説明していきます。

 

革は気候が安定した地域のものを

1牛の質

言うまでもなく革は牛からとっているので、牛の育つ環境で革の質が変わります。特につま先など見た目が重要なアッパー部分に使う革は、気候が安定していて日焼けや傷などが少ないのが理想的。スコッチグレインでは、主にヨーロッパのオランダ地方の牛の革を使用しているそうです。

他のパーツは、そのパーツの機能に適した革を、世界各地から仕入れています

 

おしりの部位を使用

2革の部位

牛の革の中でも、ベンズと呼ばれる背中からお尻にかけての部位は、革が厚く強度があります。特に強度が必要な靴底には、こちらのベンズ部分が使われます。

 

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各地のタンナー(牛の”皮”を革屋さんで売っているような”革”の状態に加工する業者)から革が届いたら、一枚一枚検品し、グレード分けをします。その後、表面の傷やシワ、血管の跡などを細かく確認してから、なるべく捨てる部分が出ないようにパーツ抜きをしていきます。

 

革のカット

3プレス機で裁断

靴底やアッパーパーツなどの各パーツは、プレス機でカットしていきます。

 

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こちらはアッパーパーツの靴用の抜き型。形から、多分つま先と前側面だと思われます。

 

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こちらは型で抜いたパーツです。

 

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こちらがプレス機。大きな圧力が必要なので、1度では抜けません。機械上のプレス部分を少しずらしながら、3回程に分けて切り出します。

 

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靴底の方は分厚く硬いため、こんなに大きな機械で裁断されていました。

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腕時計のベルト用のが3トンプレスだけど…
一体これは何トンなの?!

 

 

構造2

カットする主要パーツの内訳はこんな感じ。たくさんのパーツから出来ています。

 

 

上のパーツをミシンで縫う

4縫製

先にアッパーパーツをミシンで縫って作り上げます。

 

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パーツを縫う前に、縫い合わせるパーツの端を薄くして、縫いやすくします。この時使うのが、上の写真の様な革漉き機。パーツを漉いておくと、縫いやすいだけでなく、縫った箇所の段差が目立ちません。

 

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今回、アッパーパーツの縫製現場を見ることは出来なかったのですが、こちらの写真の様な靴を縫うのに使われる腕ミシンを使って縫い上げます。

 

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こちらは表に出るアッパー(黒)と裏地(肌色)を合わせた状態のもの。

 

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その後、型を使って整形します。こちらの機材は、あちこちから機械の手が伸びてくる最新機種の様です。

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この様な古い機種の整形機も活躍しています。
この時点だけでなく、様々な段階で形を整える機械を使いながら組み上げていきます。

 

アッパーと中底の合体

5中底入れる

今度は靴底とアッパー部分を合体させていきます。まずは、中底をアッパーの中に入れて、カカトを鋲留めします。

 

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鋲で、アッパーの後ろの部分を中底のカカト部分に固定したところ。

 

“ウェルト”を縫い付ける

6ウェルト付ける

グッドイヤーウェルト製法の名前にも付いている、“ウェルト”と呼ばれる帯状の耳を縫い付けます。

 

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グッドイヤーウェルト製法の要である、すくい縫い用の特殊なミシンで縫い付け。中底のリブ(白)と、外側のウェルト(肌色)が縫われていきます。

 

本底を付ける

7カカト付ける

本底を組み上げたパーツに付けていきます。

 

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こちらが付けている様子。そっと慎重に貼り付けます。

 

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本底とウェルトの側面を、ヤスリで平らに慣らしている様子。

 

本底をミシンで本縫い

8後処理

靴の製造も、いよいよ最終段階に入ってきました。

 

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先ほど目測で貼り付けた本底を、ミシンでウェルトに縫いつけます。こちらの縫い方は”だし縫い“といい、これも先ほどウェルトを縫いつけた”すくい縫い”と合わせてグッドイヤーウェルト製法の特徴です。

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なるほど、
どちらも”ウェルト”が要なんだね!

 

カカトの接着

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カカトも、両面にゴムボンドを塗り、目測で接着します。

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ぅわぁ、靴の形になったよ!
あとちょっとだね!

塗装

 

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こちらは靴底とウェルトの側面を塗っているところ
見ている私も何が起こっているのか分からない程の早業だったのですが・・よーく見てください、1コマ目では肌色だった側面が、2コマ目では黒くなっています…!くるくると靴を回しながら刷毛で塗っています。

 

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こちらはつま先を中心としたツヤ出し作業。高級感が増しました!

 

仕上げ

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いよいよ大詰め。
女性の作業員さんたちが輪になって、靴ひもを通しています。

 

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こちらは完成の暁に、靴底に押すブランドの押し型です。こういうプロダクトって、かっこいいですよね・・

 

まとめ

革靴作り方図解

最後に、全体の流れを振り返ってみてください。

「ああ、ここはあの機械使ってたところね」「ここはグッドイヤーウェルト製法の要のところね」

・・・みなさんもすっかり、靴作りに詳しくなっているはず・・・!

 

今回の工場見学を主催したのは・・

 

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今回は私たちが参加したのは、浅草エーラウンド(A-round)さんの企画する「革とものづくりの祭典」の工場見学イベントです。毎年春と秋に開催しているそうですが、今後増えるのだとか・・是非チェックしてみてください^^

 

おわりに

いかがでしたか?他にも細かい作業がたくさんあるのですが、情報が多すぎるので要所だけ紹介しました。もっと詳しく知りたい方は、この記事で生まれた疑問や出てきたワードを元に検索したり、スコッチグレインのホームページで知識を深めてみてください^^

 

今回は初めての試みとして、イラストを元に工場見学の模様をご紹介しました。トンカチワークスでは今後も、工場見学の記事を増やしていく予定です。

 

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次は新潟燕三条で1枚の銅板から急須などを作っている、「玉川堂」の工房を覗いてみませんか?

 

冬_すけ2

 

今日も読んでくれてありがとう!