お家の模様替えなど、DIYをする方が年々増えていますね。最初は2×4材などの木材を使ったDIYから取りかかる方が多いかと思います。
そうするうちに気になってくるのが、溶接。ただ、家庭でアーク溶接などの本格的な溶接機材を用意したり、火花が散ってもよい場所を用意するのは大変。
そんな方にちょっと朗報、家庭で気軽に出来る溶接の一種「ろう付け」用の材料を、昨年のDIYショーで見つけました。今日はろう付けって何?というお話や、その時の実演の様子などを紹介します。
溶接の種類はいろいろ
溶接というのは、厳密に言えば2つ以上の部材の接続する部分を溶かして一体化させることです。鉄やアルミなどはかなり高温にしないと溶けないので、それ相応の大掛かりな機材が必要になります。また、様々な溶接方法と機材があるため、購入するなら時間をかけて検討してからにしたいですよね。
ろう付け
今回紹介する「ろう付け」は、直接母材を溶かす代わりに、他の金属よりも融点の低い合金「ろう」を溶かして接合に使います。手軽な反面、一般的に溶接と呼ばれる接合方法より強度が落ちると言われています。母材とは違う金属を使うのですが、分類方法によっては「溶接」の仲間になります。
はんだ付け
また、ろう付けに似ているのが「はんだ付け」。学生時代に電子工作ではんだごてを使って工作をしたことがある方も多いかと思います。このはんだ付けも、ろう付けの仲間。はんだ付けも意外と強度が出ますが、「ろう」の方が「はんだ」よりも溶かすのに必要な温度が高く、ろう付けの方が強度が高くなります。
今回紹介する「新富士バーナーのろう材シリーズ」は、はんだ付けの約5倍の強度になるそうです。
新富士バーナーのろう材シリーズ
ろう付けをする際、ろうの他に「フラックス」という、金属の酸化膜を取り除いてくれる溶剤が必要です。
しかし新富士バーナーには、ろう材の中にフラックスが入っているタイプもあります。
通常はフラックスを塗って水分が飛ぶまで熱してから、そこにロウをさす…という作業が必要なので、一本でろう付けができるのは、初心者にとって技術的なハードルが下がりますね。
※ 鉄・真鍮・ステンレスなどに使える多用途のタイプと、アルミ用とでロウ材の種類が違うので注意してください。
※ フラックスとろうが別になっているタイプも販売していますのでそちらもよくご確認ください。
実演の様子
こんな簡易的な設備で作業をしていました。
まずは母材を温めます。
それから、ろう材にバーナーを当ててろう付けします。
完成。
とっても熱いので、水に浸けて冷まします。
強度は、大人が思い切り力を入れて接合部を折ろうとしても折れないくらい。他の見学者の方々がやってみても折れませんでした。
こんなことに使えます
指輪など金属アクセサリー製作によく使われます。私もシルバーリングを作った時に、接合部をろう付けしました。昔の自転車フレームの溶接にも使われていたそうで、自作フレームを作る方は接合部の仕上がりが綺麗なろう付けをしている方が多いようです。
実演をしていたお兄さんは、友人の自転車にドリンクホルダーなどのアクセサリーをろう付けしたら好評だったと言っていたので、小さなアクセサリーでなくてもある程度の強度はあるようです。
(公式サイトによると、銀ロウのタイプで引張強度:441N/mm2(45kgf/mm2)…ピンとこない…)
新富士バーナーさんのろう材を使っているわけではありませんが、こちらに相当強度が出ている作例があったので載せておきます。私も今度購入して、実際に作って強度を確認してみたいと思います。
DIYホームセンターショー
最後に、ろう付けの実演がおこなわれていた”DIYショー”の説明も少し。毎年夏に千葉の幕張メッセで行われるDIY用品の見本市で、期日後半は一般公開もしています。
2017年の様子
見本市と一緒に、様々なワークショップが行われています。こちらの記事に他のブースの様子もまとめました。
おわりに
今日はDIYショーで見つけて気になっていた、新富士バーナーのろう材シリーズの紹介をしました。ろう付けは家でも手軽に出来ますが、本格的な溶接がやってみたい!という方も多いかと思います。今年のDIYショーでもおそらく体験コーナが出店されるはずですし、都内に常時体験出来る施設もいくつかあるので、今度そちらもまとめてみようと思います。
今日も読んでくれてありがとう!
今日紹介した商品
※ 鉄・真鍮・ステンレスなどに使える多用途のタイプと、アルミ用とでロウ材の種類が違うので注意してください。
※ フラックスとろうが別になっているタイプも販売していますのでそちらもよくご確認ください。