2021年5月に発売された、『大人の発達障害:話し相手の目を3秒以上見つめられない人が読む本』を読んだので、簡単に感想などをまとめました。
以前から私自身、発達障害のグレーゾーンなんだろうなと思っていて、ネットで調べたり、最近は少し本を読んだりするようになりました。その程度のまだまだ知識が浅い素人のレビューになるので、意見・感想の部分は半信半疑で読んでもらえたらと思います。
今回ご紹介する本は、日本ではまだまだ少ないMRI脳画像で発達障害などの診断をされている医師、加藤俊徳さんの著書です。
発達障害関連の本は、症状や対処法を説明しているものが多いのですが、この本は原因となる可能性のある「感情認識障害」について書かれています。私にとって新しい視点で書かれていて、自分の脳の特徴を捉え直す機会になったので、ブログでも少しご紹介することにしました。
読書ノート(一部)
本の概要
私たちは相手の目から感情を読み取っている
人は相手の目から相手の感情を読み取りながらコミュニケーションをとっています。その目を見つめられないということは、目から相手の感情を読み取れないなどの可能性があります。
『発達障害』の影に潜む『感情認識障害』
脳の中で感情を認識する機能を果たすのは、このように相手の感情など、目で見たものを処理する脳の領域と、その見た情報などを処理して感情を整理する領域の2つがあります。
発達障害のある人はこの2つの脳の領域の力が弱い、というのが著者の主張で、この領域の力が弱いために現れる障害を『感情認識障害』と呼んでいます。
本書では、ADHD(注意欠陥多動性障害)やADD(注意欠陥障害)、ASD(自閉症スペクトラム)を中心に、それぞれの発達障害では脳のどの部分に発達の遅れがあるのか、そのためにどんな症状が表面化するのか、どうやって鍛えればいいのか、などについて書かれています。
感想
発達障害の原因はまだハッキリしていない
今回の本の感想を書く前に、(私の認識している)発達障害に関しての基礎知識を書いておこうと思います。
ASDやADHDなどの病名に関しては、表に現れる結果を診断したようなもので、その原因ははっきりしていないようです。ただ、脳の一部の機能の発達に遅れがあるようだ、という共通認識はあるようです。
診断方法として、MRIで脳の状態を見る方法もあるのですが、特に日本では発達障害の分野の研究が遅れていることもあって、様々な自覚症状からヒアリングして判断する診断方法がメジャーです。
そのため、医師やその時々に患者さんが置かれている状態によって、診断結果が変わることもよくあるそうです。その辺りのことは、『発達障害 生きづらさを抱える少数派の「種族」たち』という本にも詳しく書かれていました。
そんな中で、この本は発達障害の原因について書かれていたので、とても興味深く読み進められました。
自分に当てはめて考えてみると・・
特に本書の中で自分自身について考え直すきっかけになったのが、『自分』の感情が分からないから、『相手』の感情に影響を受けすぎてしまう、という部分。
私は以前から異常に人から影響を受けやすくて、行動に一貫性が無かったり、自分が何をしたいのかすぐに分からなくなったりして、日常生活にも支障をきたしていました。最近は自分の特性として諦めて、影響を受けないように人と距離を置くようにしていたのですが、この本を読んでいて、「自分の感情が分かるようになれば、また人と楽しく交流できるようになるかもしれない・・!」と希望が湧いてきました。
正直、脳を鍛えることで解決するのかどうかはまだ分かりませんが、新しいポジティブな考え方が出来るようになったのが今回の私の一番の収穫でした^^
あまり詳しく書くとネタバレが多くなってしまうので、気になった方は実際に本を読んでみてくださいね。
その他、発達障害を脳から見た本
発達障害を脳から見た本では他に、テンプル・グランディンさんの『自閉症の脳を読み解く』という本の評判が良いようです。
ご自身が幼い頃に(時代のせいもあり紆余曲折で)自閉症と診断された方で、ご自身を含めた脳のスキャンを撮りながら、自閉症の脳の研究をされています。
割と厚みのある本ですが、最初はご自身の自閉症に関する半生から書かれていたり、脳のスキャン画像もちょくちょく載っていたりと、面白く読めそうです。図書館で借りてきたので、私も次はこちらを読もうと思っています。
今日も読んでくれてありがとう!
今日紹介した本
※ 2021/7/13現在、kindle unlimitedで無料でした