逗子の防災_TOP

全国的に自然災害が増え、住む場所の安全性に注意を向ける必要が高まっています。
私たちが住んでいる逗子・葉山エリアも、首都圏近郊の街の中で自然災害の危険の多い地域です。

逗子に引っ越してから3年、そろそろ次の住居(逗子市内か葉山町)へ移ろうと思っているので、この機会にもう一度住む場所の安全性を見直すことにしました。

今日は逗子市の「津波」「土砂災害」それから「洪水」の危険性や、ハザードマップの見方など、市役所で伺ったことや行政のホームページを調べて分かったことを中心に情報をまとめました。

逗子は素敵な街だからこそ、いざという時の被害を最小限にして、今後も長く住める街になってほしいと思います。

 

【追記】2021/12/3:富士山噴火の際の情報を追加しました

 

 

津波

こちらは逗子市に住む多くの方が心配していることだと思います。

平成27年度逗子市津波ハザードマップ より平成27年度逗子市津波ハザードマップ2 より、逗子地区の地図

 

逗子市の津波について

逗子市では、最大で10.4mの津波が来ると想定されています。海岸に津波が達するまでの時間は、最短で10分(予測)。
各地域の津波到達の高さ(予測)は、下記のハザードマップで確認ができます。

 

平成27年度逗子市津波ハザードマップ より

平成27年度逗子市津波ハザードマップ1 より、逗子市全域図

 

津波ハザードマップの見方

こちらの津波ハザードマップは、想定出来る5つの地震(南海トラフ地震2タイプ・慶長型地震など)のうちの最大の浸水域と浸水深を重ね合わせたものだそうです。なので、ハザードマップ中の値は、想定される中では津波の範囲も高さも最大の値になっています。(念には念を入れた地図ではありますが、それでも想定外の津波が来るということもありえなくはない話です。)

 

浸水エリアは、市内の1〜2割

逗子市の中で浸水が予想されている地域は、海岸沿いや市街地が中心で、全土の内の1〜2割程度。
例えば逗子の東側の「東逗子」エリアや、逗子に点在している山の上の住宅街などは、大きな津波が来ても浸水の心配はあまりなさそうです。

ただ、海から遠かったり高台に住んでいるとしても、逗子の市街地が沈んでしまったら復興に時間がかかりますし、この辺りは海辺の街に住む時に考えてしまう所です。

 

住む場所を検討する時は・・

 

海抜10m以上だとひとまず安心

津波の高さは最大で10.4mと言われているので、家に浸水被害を出したく無い場合は、ハザードマップと照らし合わせつつ海抜10m以上の場所を探すのが理想的かもしれません。

ただ、逗子市内で駅近や海近、徒歩圏内で生活が出来る場所に住みたい場合は、10m以上を探すとなると、マンションの上階に住むなどかなり候補が絞られてきます。それに後で書きますが、海抜の高い場所となると土砂災害の可能性も増えてきます

また、津波で流されるかは建物の強度にも関わってきますし、浸水対策として、敷地の高さを高くするなど建物自体の構造で解決する方法もあります。

 

10分以内で避難できるかどうか

利便性などを優先して海抜のあまり高くない場所に住む場合は、近くに避難出来る施設があるかどうかも重要になってきます。
津波は最速で10分で到達と予想されているので、地震が起きた際にその時間内で避難できるかどうかもひとつの目安になります。

幸い逗子市は全体を小高い山に囲まれているので、山に近いエリアだとすぐに高台に避難出来ることが多いです。ただ、屋外で何日も救助を待つ可能性などを考えると、やはり避難出来る施設の有無が重要になると思います。

 

津波一次避難場所

平成27年度逗子市津波ハザードマップ2 より、逗子地区の地図の一部

津波ハザードマップにも、一次避難場所に指定されている建物やその高さ、山間の一次避難場所の位置も記されています。

 

個人的に心配しているのは、古い家に住む場合です。私自身築50年の家に住んでいるので、すぐに避難出来るエリアではあるものの、もし地震で家が崩れて脱出できないうちに津波が来たら…?という心配があります。

とは言っても完璧な安全を考えだすと何処にも住めなくなってしまうので、自分がどこまで安全性を確保するのか、リスクを理解しながら妥協点を見つけるしかないのかな、と思います。

 

富士山噴火の際の火山灰

富士山の噴火も近いと言われています。
過去300年噴火していない富士山ですが、それ以前は平均で30年に一度程度噴火していたそう。前回の宝永噴火(1707年)は宝永地震のわずか49日後におこったことなど、津波と同じく地震との繋がりも深い災害です。

 

逗子はハザードマップ外

溶岩流・土石流などの逗子への到達は想定されていません。すぐに避難が必要になる地域がまとめられているハザードマップでも、対象地域(御殿場市や富士宮市、神奈川県だと相模原市や小田原市など)は逗子から大分離れた地域になっています。

 

降灰予想は10cm程度

富士山噴火時に逗子市に直接影響するのは火山灰です。
富士山火山灰の到達予想地図を見ると、逗子市周辺は10cm程度の降灰が予想されています。

スクリーンショット 2021-12-03 23.00.00

内閣府 防災情報のページ(資料)より

この10cm程度の降灰というと、目・鼻・喉などへの健康被害は勿論のこと、降水時に川や谷筋での土石流の発生、水を含んだ火山灰の重さによる木造家屋の倒壊、電気などインフラの停止、といった可能性も高くなってきます。

 

噴火に関する参考サイト

 

噴火の際にどのようなことが起こるのかを知るには、こちらの「そなえるTV」の噴火対策シリーズもわかりやすかったです。シリーズの中には、ゴーグル・マスクなどの噴火対策グッズの紹介動画もあります。

 

土砂災害

津波以上に逗子市の多くの地域に直接関わってくるのが、崖崩れをはじめとした土砂災害です。

 

逗子市の土砂災害について

逗子では舗装されていない自然のままの崖も多く、ここ3年程で私が知る限り崖崩れによる死亡事故も2件ありました。人が巻き込まれていない箇所も入れると、年に数カ所の崖崩れが起きています。

土砂災害は津波以上に逗子市全土に関わってきます。先程の津波の被害は無さそうな東逗子エリアでも、土砂災害警戒区域は各所に広がっています。

各地域の土砂災害の危険性については、下記のハザードマップで確認ができます。

 

逗子市土砂災害ハザードマップ逗子市土砂災害等ハザードマップ より

 

土砂災害等ハザードマップの見方

この地図では、崖崩れなどの土砂災害の範囲と、それ以外の要素(洪水時の浸水範囲など)が一緒に表記されていますが、ここでは土砂災害範囲の見方を説明します。

 

逗子の土砂災害のほとんどは「崖崩れ」

土砂災害には、「急傾斜地の崩壊(崖崩れ)」「土石流」「地滑り」の3つがあります。

このうち、全国的にもそうですが、神奈川県や逗子市で発生する恐れのある土砂災害の多くは「急傾斜地の崩壊(崖崩れ)」です。
※ 崖崩れとは、傾斜度が30度以上である土地が崩壊する自然現象

 

崖崩れ警戒区域の決め方

崖崩れ

全国地すべりがけ崩れ対策協議会発行『土砂災害防止法』ガイドブック より

崖崩れ警戒区域の範囲は、上の図のように「土砂災害防止法」で定められています。

他の「土石流」「地滑り」警戒区域に関しても、全国で同じように計測方法が決められているようです。(『土砂災害防止法』ガイドブック 参照)

 

レッドゾーンとイエローゾーン

土砂災害に関しては、通称レッドゾーンと呼ばれる最も危険な区域「土砂災害特別警戒区域」と、その前後数メートルに位置する通称イエローゾーンと呼ばれる「土砂災害警戒区域」の2つの危険区域があります。イエローゾーンは、 “土砂災害が発生した場合、住民等の生命・身体に危害が生ずるおそれのあると認められた土地の区域”で、レッドゾーンはそれ以上の危険性を孕んでいます。

「傾斜地の崩壊(崖崩れ)」の場合、傾斜度が30度以上・5m以上の急傾斜地がレッドゾーン、その急傾斜地の上端から10メートルと、下端から崖の高さの2倍の距離(ただし50m以下)がイエローゾーンと定められています。(上のイラスト図解参照)

※ この計算式は、地形要件や過去に発生した土砂災害のデータ等に基づいて、土石等が到達する範囲や作用する力を想定しているそうです。(参照元

 

逗子市のマップは(崖崩れに関しては)より広いイエローゾーンを記載

上で引用した逗子市HPの「土砂災害等ハザードマップ」の広域に広がっている薄茶色の範囲が、(レッドゾーンを含めた)崖崩れのイエローゾーンになります。

崖崩れの他にも、逗子市には土石流の警戒区域もあり、マップにはそちらの範囲も記載されています。(詳細は逗子市や神奈川県のHPでご確認ください)

 

通勤・通学路などにも注意

個人的に、そろそろ子供を…と思っているのですが、そうなった時に不安が大きくなってきたのが、通勤・通学などの生活関連経路に土砂災害の危険性がないかどうか。実際に2020年、東逗子エリアの京急神武寺駅に向かう途中の女子高校生が犠牲になる事故がありました。

山の上に住む場合などは、経路とその危険性も調べておくと良いかもしれません。

 

詳細な地図は、神奈川県のマップで

逗子市の土砂災害ハザードマップは少し解像度が低いので、区域の境目だとわかりにくく心配になるかもしれません。そんな方は、神奈川県の土砂災害ポータルサイトで詳細の地図が見られるので、そちらを参照してください。レッドゾーンとイエローゾーンも色分けされていて見やすいと思います。

 

ポータルサイト

「土砂災害のおそれのある区域」をクリック

スクリーンショット 2021-07-08 16.19.35

神奈川県内の土砂災害の恐れがある地区が検索できます(地図上で拡大縮小が可能です)

 

洪水

 

逗子市の洪水について

逗子市には逗子海岸に流れる「田越川」という二級河川があり、その流域で洪水の危険性があります。

各地域の洪水時の浸水の危険性については、先程の土砂災害等ハザードマップで確認ができます。

 

逗子市土砂災害ハザードマップ逗子市土砂災害等ハザードマップ より

 

ハザードマップの見方

こちらの地図では、洪水時の浸水の高さを

青:1.0-2.0m
黄緑:0.5-1.0m
黄色:0.5m未満

で表しています。

これは50年位に一回程度の確率で発生する規模の大雨(時間最大雨量81.5mm)を想定してるようです。

この地図には他にも、内水(排水路や下水から水があふれる水害)による浸水想定区域(時間最大雨量64.9mmで想定)なども記載されています。
津波や土砂災害に比べると、どちらも範囲も狭いですし被害も少なそうですが、この地域に家を建てる方などは特に注意が必要だと思います。

 

その他の自然災害について

他の自然災害に関しては調べきれていないのですが、正直住んでみないと分からないことも多いと思います。

例えば我が家は山の麓にあるのですが、何度か強い台風が来た時に、山のお陰で風があまり激しく吹きませんでした。ただこれも、山の向きや周りの建物などの環境にもよると思うので一概に山の麓が安全とは言えないと思います。

心配な場合は、とりあえず逗子市内の安全そうな地区に家を借りて住んでみて、そこから少し時間をかけて、自分なりに安全性と住みやすさのバランスが取れたエリアを探していくのが良いんじゃないかと思います。

 

おわりに

ということで、逗子市内で想定出来る災害について、私のわかる範囲・私の視点でまとめてみました。

逗子市に引っ越してから3年になりますが、災害を除くと本当に住みやすい、心穏やかでいられる街だなぁと実感しています。だからこそ、たくさんの人に良さを伝えたいし、地元の仲間を増やしたい。だからこそ、良い面だけでなく、実際に引っ越す際に気をつけることもきちんと伝えたいな、と思って記事にまとめました。

この記事が少しでも災害について考える機会になっていたら嬉しいです。

また、逗子近郊にお住まいの方で、もし他に気をつけるべきことや間違った情報などがありましたら、ご一報いただけるとありがたいです。

 

正確な情報は、役所や行政のHPから確認してください

マップや情報は今後更新されて変わっていくと思うので、最新版や正確・詳細な情報は、逗子市や神奈川県のホームページで確認してください。

 

逗子市役所で聞く場合

JR逗子駅・京急逗子葉山駅から徒歩2,3分にある逗子市役所でも、資料を貰ったり話を伺ったりすることができます。

ひとまず3Fの防災安全課に行くと、資料を貰ったり他の詳しい課を教えてくれたりしますよ。

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市役所でいただいた資料

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災害のリスクは意識しつつ、素敵な逗子生活になりますように。

 

 

 

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